ボルネオ島の真ん中 フェリーでしか行けない秘境 カピット

 

カピット。こういう名前を聞いたことがある人は多分いないかな。マレーシアのサラワク州の……いやボルネオ島のほとんど真ん中にある秘境です。山奥過ぎて、道路が開通していないため、車ではこのカピットという町に行くことはできません。マレーシア最大の川、ラジャン川をフェリーで移動するしかありません。近郊の町シブからフェリーで3時間です。
ここはこのボルネオ島に昔から住んでいる先住民族のイバン族の子孫が住んでいる町であり、マレーシアのマジョリティのマレー系の人々は少ないです。宗教はキリスト教が主です。少しはムスリムもいるようですが……。

道路が開通していないのですが、なぜか車が多いです。これは、このカピットという町は陸の孤島なのですが、

  • 市場と家の往復用
  • 隣町のSongとの移動用

のために、みなさん車を所有されています。

ってかどうやって車を買ったんだろう?どうやって車をこの陸の孤島まで持ってきたのだろう?船かな?などと不思議に思うレベルですが・・・・

 

 




 

カピット基本情報

 

 

どこにあるの?場所・地図

ボルネオ島のど真ん中です。カピットはインドネシアとも国境を接していますね。ですので山を越えることができるのであれば、インドネシアに入国もできるのでしょう。まあそのあたりは、ローカルの中でもさらに奥まった場所に住んでいる人しかできないでしょうが。

 

どんな街?概要

カピットには、ほんの少しだけ、市場や中華寺、マーケットなどの観光地?みたいなものがありますが、これらの観光地に特に大きな意味はないかなと感じました。
このマレーシア最長のラジャン川(560km)を、フェリーで片道3時間移動することに意味があると思われます。

船はほとんど揺れません。川自体が穏やかです。

何も考えずに、ただただこのキレイとは言えない川に揺られ、先住民が住む町に向かうのがよい。

3時間くらい、何も景色が変わらない退屈な時間を過ごすのも悪くはない。

しかしこれだけ大きい川でも、世界では大きい川のトップ10にも入らないのですね。ナイル川や長江などはとてつもない規模なのでしょう。

 

町の雰囲気はこんな感じ。

陸の孤島なのに、意外なほど商店がある。人もこの商店が固まったエリアに集まるので、非常に活気があった。

結構車があるのが意外でしたね。船でしか来れない場所なのに、なぜこんなに車があるのか。。。

調べてみると、下記のように、Kapit という町と、Songという町のみが車でつながっています。

その町の行き来と、あと周辺に住んでいる人たちがKapitに買い物に来たりするために車を購入するのでしょう。

 

 

 

カピットの観光について

カピットへ行くには、下記のSibuのフェリー乗り場から行く。ここ以外の方法はない……はず。

フェリーターミナル。シブの街では、このフェリーターミナル周辺にバス停もあるため、このエリアが旅の起点になる。

基本的にフェリーに乗る人は、カピットに向かう人のみだと思うのですが、意外と込み合う。注意すべき点として、カピット行きのフェリーは朝早い6時くらいからありますが、シブに戻るフェリーはお昼の3時くらいが最終便になります。

遅れたらカピットで宿をとる必要があるかな。。。

 

片道は、

  • 35RM : VIP room
  • 30RM : Normal room
  • 25RM : Low class room

 

僕は、行きをVIP room、帰りをNormal roomを選択しました。
正直大きな変化はありません。

VIPは、4列の少し小さめの部屋。
Normalは、4列の少し大きめの部屋。

小さめのVIPのほうが少し落ち着けることができるかもしれません。ですが、エアコンが寒いので、僕はちょこちょこ部屋の外に出ていました。

外のほうが風が気持ちよいので、船内にいることが少なく、部屋のグレードは気になりませんでしたね。

Low classは後ろの席になるので、少し揺れるかもしれませんね。とはいえ、川の流れは穏やかなので、揺れるのは船がすれ違った時だけですが。

これはNormal roomの写真です。全然悪くない気がする。

 

 

船着き場。味がありますな。

 

 

 

 

 

ラジャン川 Rajang River

カピットは、なんといってもこのラジャン川だと思います。

何も考えずに、ただ黄土色の川に揺られていく。

 

このエリアは木材加工と輸出が大きな産業になります。

東京五輪の会場は、ボルネオ島の木材を輸入して建設されていますので、この木はもしかして東京に行くのかもしれませんね。

ちょっと観光地の紹介。

 

 

Fort Sylvia

1880年に建築された砦。その後、イギリス植民地時代に英国人総督の妻の名前に砦の名前が変更され、現在では博物館となっている。
訪問時には閉まっていたため、中は見れず。

この地に住むイバン族は、攻撃的な民族であったようで、敵の部族の首を落として勲章とするという首狩り族と呼ばれていた。そのイバン族が他の先住民族との争いが絶えなかったため、イバン族がカピット地域にこれ以上増えることを防ぐために、英国が砦を作った。現在では争いもないので、博物館として使用されている。

入れなかったため、詳細はわからない。

が建物はさほど大きくはない。普通の家くらいの大きさだ。しかし白く塗られた建物は美しい。

 

Kapit Museum

カピットの街の周辺の、イバン族をはじめとする先住民族の生活に関する博物館。建物は大きいが、展示室は非常に狭かった。一部屋くらい。。。所要時間は5分で終わるのではないだろうか。。。。

 

中華寺 Kapit Hock Leong Tieng Tua Pek Kong Temple

中華寺。とくに有名なわけでもない。小さい。このカピットは大多数がイバン族だが、中華系も少しだけ住んでいるという証拠でもある。

 

 

Market Teresang

カピットのマーケット。すごい人の賑わいだった。カピットは陸の孤島、そして60000人程度しか人口はいない。しかしすごい活気だった。聞いた話によると、こんなに人が多いのは朝のみらしい。朝だけ、みんなが食料を買いに来て、昼以降は閑散とするらしい。
しかしこの賑わいには驚いた。陸の孤島なのに、活気は15万人都市のシブ以上だったからだ

 

食文化

意外と中華系のレストランが多い。ムスリムと結婚してムスリムになると、食べれないものもあると思いますが、基本的にカピットのイバン族はキリスト教徒なので自由に食べることができるのでしょう。

 

ちょっとだけおしゃれなパン屋さん。

なんとこんな秘境にケーキが売っていました。冷凍して持ってきたのか?もしくはこっちで作ったのか・・・。味はまあまあ。

 

こんな陸の孤島にKFCがあるとは驚き。。。

 

 

 

まとめ

船着き場でお菓子やジュースを売っていたおっちゃん。

 

カピット、最初は行くか止めるかどうしようかなと考えましたが、シブ滞在中に時間が余ったので行ってみました。なぜ止めようかなと思ったかに関しては、危険などは全くなく、単純に『船で片道3時間かよ、ちょっとめんどくさいな』ということでした。

ただし、

  • 道路がないため、フェリーでしか行けないという秘境のような場所

に行ってみるというのはある意味ロマンみたいなものがありますな。今の世の中、そんな場所はあまりないでしょうし。

 

マレーシアの人でも、カピットに行ってみようと思う人もいないし、近くに何十年も住んでいても一度も行ったことがないという人だらけでしたな……。

 

気づいたこととしては、

  • カピットは陸の孤島なのに、商店や市場が多く、人も多く、意外と活気があった(賑わうのは朝だけらしい。昼からはみんな家に帰ってしまうので人がいなくなるとのこと)
  • 車が意外と多かった
  • 飲食店は中華系のレストランが多かった。そしてパン屋があり、ケーキなども売っていた。(こんな陸の孤島でケーキが売っているのか……と驚き。どうやって作ったんだろう)
  • 先住民族イバン族(昔の首狩り族)が多いエリアだが、中華系も見かけた(中華寺もあった)
  • このカピットというエリアは新聞がなく、秘境になるためどうしても都市部に比べると情報がない。そのため、政治の情報などがほとんどわからない人が多く、いろいろ考えて投票をするなどのことが難しい様子

みたいなことですね。

 

とりあえず、シブに滞在したら、カピットを訪問してみることもお勧めします。

 

では。



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