HSBCクレジットカードをお勧めしない理由。空港ラウンジサービスの貧弱さと付帯旅行保険の削除
皆さんクレジットカードを持っていると思うんですよね。外国人は基本的にクレジットカードを作るのが難しいため、母国で作成したカードをそのまま利用しているケースも多いでしょう。僕も居住しているマレーシアでクレジットカードを作りたかったのですが、なかなか作るのが手間だったりしてたのですが、ようやくカードが届きました。正確に言うと、数年前に普通に作る機会があったのですが、僕が断っちゃったんですよね。
『僕はクレジットカードを使うことがあまり好きではありません。現金を使うほうが良いので、今回は必要ありません』と。
あれが大失敗でしたね。あれで数年間無駄な時間を過ごした。今まではデビットカードばかり使ってましたが、どう考えてもクレジットカードは便利なんですよ。Lazadaでオンラインショッピングをしたりいろいろと。例えそのうち、Alipayなどのスマートフォンを利用した決済が普及しても、クレジットカードは必要な状態は続くでしょう。ということで、再度クレジットカードを申請して、届いたHSBCのクレジットカードの付帯サービスを確認していました。いろいろ確認した結果、付帯するサービス内容があまり良くなかった気がします。そのため、来年は別のクレジットカードを申し込もうかなとも思っています。せっかくHSBC Premier Credit Cardの内容について約款を読んだりといろいろ調べていましたので、それらをまとめてみました。個人的にも、空港のラウンジサービスやクレジットカードのサービス内容について詳しくなった気がしています。
なお、同じHSBC のクレジットカードでも、国が違えば内容が違うことも多いと思われます。ですので、本記事はあくまでマレーシアのHSBCに関する記事です。
HSBC Premier Credit Cardをオススメしない理由
HSBC Premier Travel Credit CardとHSBC Premier World Credit Cardの比較
さて、結論を述べる前に、簡単に届いたカードの内容を確認してみましょう。名前が紛らわしいのですが、HSBC Premier Travel Credit Card はHSBC Malaysiaの最上位のカードです。HSBC Premier World Credit Cardは次点だと思われます。同時に届いたのですが、封筒も違いますね。
左がHSBC Premier World Credit Cardで、右がHSBC Premier Travel Credit Cardです。安い見た目の白封筒とでは、右側の方がかっこよい感じですね。
まず共通のサービスを簡単に説明します。
■Boingo wifiが使える
■Expediaで予約時に10%off
(通常のExpediaの予約Webページ(https://www.expedia.com/)ではなく、専用のページを利用する様子)
https://www.expedia.com.my/hsbcpremier
約款(https://cdn.hsbc.com.my/content/dam/hsbc/my/docs/premier-world-mastercard-terms-and-conditions.pdf)を見る限り、以下の記載がありました。
The coupon can only be used for bookings within the next 12 months. If a booking is made for a stay beyond 12 months, the coupon cannot be used.
もしかしたらExpediaの割引は最初の1年だけ適用の可能性があります。Agodaは期限無く、常に7%割引だと思われます。
■Agodaで予約時に7%off
https://www.agoda.com/hsbcpremier
■たまったマイルやポイントを消費するWebページ
https://sp.hsbc.com.my/rewardspremiertravel/
■現地のクーポンなど
https://www.homeandaway.hsbc.com/
■飛行機のチケット購入額が2500RM以上の場合、80RM分のGrabプロモーションコードをSMS経由で受け取ります
飛行機のチケットを購入する際に、promo codeに’Airline’と記載することでHSBC側で認識できる様子
※最低チケット購入額2500rm必要
■海外で財布を無くした時などに、100米ドルまで弁済可能(E-commerce & Wallet Protection InsuranceというMasterCardのサービスがある。詳しい情報はWeb上に見つからなかった)
では、この2つのカードの違いについて
■年会費について
HSBC Premier Travel Credit Cardは年会費が600RMです。初年度は年会費が無料ですが、次年度からは年間45000RM以上をカード利用すると年会費が無料になる。また、貰った資料には記載されていなかったが、300000RM以上を預金に入れると、年会費無料になると銀行員さんは言っていた。また、HSBC Premier Travel Credit Cardを強くお勧めしてきていた。おそらく、HSBC Premier World Credit Cardは何らかのノルマの数字にならないのだろう。6ヵ月後に解約の連絡を入れてくれれば無料でよいとのことだったので、クレジットカードを2つ発行してもらった。
HSBC Premier World Credit Card については、年会費は無料です。
■利用額によるポイント
HSBC Premier Travel Credit Cardは海外で1RM使うごとに1.1マイルを付与。マレーシア国内で4RM使うごとに、1マイル付与
(付与されるマイルは、一月あたり、海外でのご利用で最大20000マイル、現地でのご利用で最大30000マイル取得に制限されます)
HSBC Premier World Credit Card は、マイルではなく、利用額に応じてポイントがたまる
(ポイントをどこで使うかは、約款には書かれていない様子)
利用店舗のリストは下記
https://cdn.hsbc.com.my/content/dam/hsbc/my/docs/mall-merchant-list.pdf
空港ラウンジサービスの違い
まず空港ラウンジサービスの概要について記載したい。
空港ラウンジサービスとは、その名の通り、空港内のVIPラウンジが使用できるサービスだ。クレジットカードに付帯するサービスによって、自由にラウンジサービスを利用することができる。調べてみたが、このような空港ラウンジサービスは、世界中の各空港の各ラウンジと契約をして、一つの大きな商品に集約して、その商品を売っている会社がイギリスや香港などにある。クレジットカードを発行する会社は、それらの会社と契約を結んで、そのクレジットカード所有者にいくつかのサービスの一つとして、それらのサービスが利用できるようになるそれらの空港ラウンジサービスをまとめている会社は主なもので下記の4つがある。
1、Priority Pass : 英国のCollinson Group という企業が持っているエアポートラウンジプログラムであり、このような世界中の空港ラウンジが利用できるようになっている空港ラウンジ・アクセス・プログラムでは世界最大手になる
https://www.prioritypass.com/
2、DragonPass : 全世界のうち12空港。正直あまり多くはない
https://en.dragonpass.com.cn/
3、LOUNGE CLUB : 全世界のうち200空港の350ラウンジ
https://www.loungeclub.com/en/
4、Plaza Premium Lounge : 世界の46空港のラウンジが利用できる。Plaza Premium Loungeと Plaza Premium Firstと Root98 と Flight Club などを運営する香港のPlaza Premium Groupが運営しているプログラム。HSBCはこのプログラムを採用しています。この会社は香港の会社のようですので、だからHSBCはこのプログラムを使用しているのかもしれませんね。
https://www.plazapremiumlounge.com/en-uk
今述べた通り、HSBCの空港ラウンジサービスはPlaza premium lounge に準拠します。なので、日本人の間でよく話題になるPriority Passとは違います。このPlaza premium loungeは、Priority Passに比べて対応ラウンジが少ないです。ラウンジの利用は基本的に、カード所有者のみが有効。家族もラウンジに入ることはできません。ただし、同伴者は25%オフでラウンジが利用できます。HSBC Premier Travel Credit Cardも場合、年間12回まで無料で利用が可能。無料回数を終えた13回目からは、通常の使用料金がかかる。
利用可能な空港リストは以下のWebサイトで確認が可能
https://cdn.hsbc.com.my/content/dam/hsbc/my/docs/list-of-airport-lounges-ptc.pdf
Plaza premium loungeが利用できる空港ラウンジがある国の一覧は下記になります。
正直、あまり多くはないです。最大手のPriority Passと一部の国を比較してみます。例としてインドネシアを挙げてみましょう。
Plaza premium loungeはインドネシアにおいては、ジャカルタ国際空港のみで利用が可能のようです。
しかしPriority Passなら、下記の通り、インドネシア国内だけでも数多くの(ってかほとんど)空港のラウンジが利用できる。これならば、どこの空港を利用しようと、ほぼ網羅されていると言っても言い過ぎではない。どこの空港に行こうとラウンジサービスが使えるような感じです。
Priority Passなら、地方空港のメダンですら、2つもラウンジが利用できます
フィリピンに関しても調べてみましたが、Plaza premium loungeはセブ国際空港だけが対象になっている。マニラ国際空港が使えずに、セブだけというのもいまいちなサービスである。
これを見るかぎり、HSBCのクレジットカードに付帯する空港ラウンジサービスは、海外旅行中にもし使う機会があったら幸運くらいのレベルのものである。
マレーシア国内に関しては、Plaza premium loungeでラウンジが使用できそうな空港が比較的多い。
- ペナンに住んでいて、ペナン空港を利用することが多い
- コタキナバルに住んでいて、コタキナバル空港を利用することが多い
- クチンに住んでいて、クチン空港を利用することが多い
- クアラルンプール周辺に住んでいて、マレーシア航空やマリンドエアを利用することが多い
上記に該当する方は、しっかりラウンジを利用することができそうな気がする。しかし、僕のように、クアラルンプール周辺に住んでいてエアアジアを利用する(すなわちKLIA2)を利用する人にはあまり利用機会はなさそうだ。
HSBC Premier World Credit Card のラウンジサービスに関しては、Plaza premium loungeの簡単お試し版みたいなものが付帯している。下記の3つの空港ラウンジだけが対象となる
- KL International Airport (KLIA1 only)
- Singapore Changi Airport
- Hong Kong International Airport
こちらは年間6回のみ利用可能。ずいぶんと小さなサービスになっている。とりあえずまとめると、HSBC Malaysiaの発行するクレジットカードのラウンジサービスはあまり有用とは思えない
海外旅行保険の付帯サービスが削除
HSBC Premier Travel Credit Cardも、HSBC Premier World Credit Cardも共に、海外旅行保険の付帯サービスがついていません。HSBC Premier Travel Credit Cardという名前なので、さすが付帯されていないことはないと思っていました。そのため、銀行員さんに聞いて確認をするということすらしませんでした。というか、以前は海外旅行保険が付帯されていたはずでしたので、銀行に確認したところ、以前までのHSBCクレジットカードには海外旅行保険が付帯していたようです。ってかなんでわざわざ削除をして改悪しているのか……と思いましたね。
他の銀行との比較
クレジットカードを作成する際に、Priority Bankingを選ぶ必要はないのですが、いろいろ調べてみました。HSBCは一番安い預金額に入りますね。預金額が高ければ良い内容のクレジットカードというわけではありませんけれども。AmSignatureやStandard Chartered Priorityは旅行保険もついているようですので、良い内容かもしれません。また銀行のクレジットカードでなくても、イオンクレジットサービスのカードも海外旅行保険が付帯されています。なお、マレーシア国内の銀行のカードと国際銀行系のカードならば、国際銀行系をお勧めします。なぜなら、どうもマレーシア国内の銀行は、所有者が転職したりや別の国に移動したりすると、すぐに解約を求められたりすることもあるようですね。
UOB Privilege : 最低預金額 500,000RM
Citibank Citigold : 最低預金額 400,000RM
Rakyat Xclusive : 最低預金額 300,000RM
OCBC Premier : 最低預金額 300,000RM
Maybank Premier Wealth : 最低預金額 250,000RM
Public Bank Red Carpet : 最低預金額 250,000RM
AlRajhi Affluent : 最低預金額 250,000RM
Standard Chartered Priority Banking : 最低預金額 250,000RM
CIMB Preferred : 最低預金額 250,000RM
HSBC Premier : 最低預金額 200,000RM
Hong Leong Priority Banking : 最低預金額 200,000RM
RHB Premier : 最低預金額 200,000RM
Alliance Bank Privilege : 最低預金額 200,000RM
Bank Muamalat Prime : 最低預金額 200,000RM
KFH Priority Banking : 最低預金額 200,000RM
AmSignature Priority : 最低預金額 200,000RM
結論
HSBCのクレジットカードは、付帯している空港ラウンジサービス(Plaza premium lounge)の品質があまり高くはない。居住地や生活パターンによっては、すごく有用になるかもしれないが。海外旅行保険すらも付帯していない。無料ならまだしも、年会費を支払ってまで利用するメリットは皆無である。
まとめ
いろいろ調べていくうちに、クレジットカードに関して詳しくなってきたことが楽しかったです。今まであまり気にしたことがありませんでした。銀行とカード業者やそのカードに付帯するサービスを供給する会社とのつながりが透けて見えることも面白かったですね。空港ラウンジサービスは、それらのラウンジ利用権をまとめて販売する業者がいるということも驚きでした。日本には年会費10000円でPriority Passの最上位クラスのカードが付帯してくる『楽天プレミアムカード』というものがあるようですが、すごいサービスの良さですね。
とりあえず、年会費600RMでこの付帯サービスなら、ずっと使う理由はないかなと感じました。皆さんもいろいろ調べて、お気に入りのカードを見つけてくださいね。ではでは。